大根は、農林水産省がいつでも手に入る様にと値段を安定させる用に定めている指定野菜のひとつで、スーパーで年中手に入る野菜です。
とはいえ収穫時期から、春大根は4月から6月ごろ、夏大根は7月から9月ごろ、秋冬大根は10月から翌年3月ごろに分けられます。
スーパーで出回っているのは主に青首大根です。
家庭菜園などで作られる紅芯大根や紅くるりといった品種は、赤い色が美しい品種で、サラダなどによく使われます。
この赤みの正体は、アントシアニンという天然色素で、熱を加えると色がなくなってしまいますが、酢に漬けると全体に赤みがまわって、とても鮮やかな色になります。彩が良いので、こあきの副菜でもよく使います。
富山県のお隣の石川県で作られている加賀野菜には、源助大根という大根があって、おでんで使うにはよく合います。お隣の県で作られているとはいえ、なかなか見かけない品種なので、たまに手に入るといろいろ使ってみるのですが、煮て食べるのが良さそうな感じです。
大根はいろいろな使い方ができて、生でもよし、火を通してもよし漬物も乾燥しても、なんでもこいです。
先日、切り干し大根を揚げると美味しいと聞いて、軽く衣をつけて揚げてみました。切り干しはほんのり乾燥した大根の食感も残りつつ、サクサクと面白いものになりました。ついでにスティック状にした大根に塩胡椒して唐揚げにしてみたところ、火の通った大根のホクホクした感じがとても楽しい仕上がりになりました。
大根の風味や食感の多彩な変化には驚かされます。
こあきでは、とれる時期に作っている人から直に仕入れることも多いので、大根もまるごといただいて、菜葉もよく使います。茹でてから刻んで冷凍保存しておきます。これを味噌で炒り付ければ富山県の郷土料理で「よごし」になりますし、彩りにも便利だったりします。
大根を利用したこあきの副菜は、何種類かあります。定番化しているものもあれば、あれこれ作り方を試しているものもあります。
実は大根の味噌汁の風味が店主の好みだったりもするので、出会う頻度も高いかと思います。
いろいろな形に姿を変えた大根をお楽しみください。