こあきのビリヤニは「和風」かもと言われるので

富山県は、イミズスタンとよばれるほどに、インド、パキスタン系のカレー店が数多く存在し、ひと昔前と違って、カレーを食べる人も増え、本格的なカレーを提供するお店が更に増えていく感じになっています。

こあきのビリヤニのレシピも、ルーツはイミズスタンの名店、「アルバラカ」の直伝なのですが、これも丸の内で営業していたころに、偶然お魚を食べにきてくれたのが始まりで、いまもあれこれと交流があります。

レシピどおりに作っても、作る人のほんの少しの加減で違ってくるのが料理。
どういうわけか、こあきのビリヤニは、イミズスタンよりも和風で食べやすいという感想をいただきがちですが、どうしてかなと思っていました。
これまでは、付け合わせはなんだかんだでこあきの副菜なので、その風味のせいだろうか……。ぐらいに感がていたのですが
最近、確かに付け合わせだけでなく、なんとなくダシみたいなことを考えていると気づきました。ひょっとしたら、これがこあきのビリヤニがちょっと和風に感じられる秘密かもしれません。

富山県の春といえば、やはりホタルイカです。
これまでも、白エビのビリヤニはご好評いただいているので、旬に合わせてホタルイカのビリヤニを作ってみるとしたら、と考えた時に、自然とホタルイカを引き立てるベースになるものをあれこれ思い浮かべていました。
以前、海老のカレーを作った時に、なんの気なく余っていたホタルイカを入れたところ、海老の風味が全く消えてしまった経験があります。
ホタルイカだけで作るとどうなるんだろうということで、ホタルイカだけを入れるのもいいですが、そこは折角なので、ホタルイカの風味を引き立てる役割のものがないか、試してみたいところ。
こうしたスパイスではないところの模索も、なかなか楽しいものです。

カレーは、イギリスに渡って日本に伝わって、すっかり日本食になりましたが、長粒種のお米を使うビリヤニも、あれこれしているうちに日本に定着する形に変化していくでしょうか。
なんとなくそんなことを考えています。
そういえば、ビリヤニに付けているカレーにも、ちょっとだけ隠し味を入れてあります。あるとないでは、少し風味が違うので、この方法を発見して以来、入れないと物足りなく感じる様になりました。きっと、こうやっていろんなレシピが、作り手が作り慣れ、食べ慣れている料理の方に引っ張られていくのだと思います。

こあきのビリヤニ教室、毎月開催しています。
詳しい日程は、その都度SNSなどでお知らせしますので、ぜひお問合せください。
4人以上でお申し込みいただければ、お店の営業時間外にも、教室の開講できますので、そちらもご利用ください。

菜葉のあれこれ

そろそろ時期も終わりますが、春になると菜葉がたくさん出てきて、これが手に入る様になると、いよいよ春だなと感じます。
春だなぁ、菜葉だなぁとひとまとめにしてしまうとちょっと大雑把すぎるくらいの種類がありますが、ずっと「菜葉持っていかれ」と言われて、なに菜か聞かないままで食べたりして、改めて種類を聞くと、初めて聞く種類の菜葉だったりもします。

アブラナ科のいろんな種類の野菜が花芽をつけて茎がのびて、「とう立ち」の状態になるのですが、それを食べるわけです。
ほんのり辛味を感じるからし菜や、わさび菜は、そもそもとう立ちした状態を食べるために作られる菜葉ですが、普段は別の部分を食べているけど、とう立ちしたところも食べられるアブラナ科の野菜もあります。
例えば、大根は根っこ、ブロッコリーはつぼみ。カブは実は茎が変化した部分で、あの丸い部分からちょっとのびているのが本当の根っこです。キャベツはまず茎が伸びずに葉っぱだけが育って球状なるので、その部分を食べています。

ポキポキと茎を折って収穫する折り菜は苦味の少ない素直な味で、ペペロンチーノ的な炒め物にもぴったり。カブの菜花は柔らかくてお浸しに向いていますが、少しクセがあります。
白菜の菜葉、大根の菜葉、カブの菜葉など、それぞれに個性があって楽しめますし、アブラナ科ではないですが、ニンジンも花芽をつけます。こちらも結構はっきりとニンジンの風味がして美味しいです。

店主は、茎が硬い感じの歯応えも好きですが、ちょっと食べにくいと感じられるかたもおられるでしょうか。大根などは、そのうち毛が生えはじめてとても硬くなるので、その前にいただきます。
先ほどのおり菜のペペロンチーノ風はパンチが効いた味になりますし、人手間ランチの副菜に加える簡単な和物として、他にもこんなレシピで菜葉を利用しています。

蕪の菜花の酒粕と味噌の和え物
菜花は茹でて絞って一口大に切る。
味噌大さじ1/2、酒粕を小さじ1、お砂糖小さじ1で、これを全て合える。
蕪の菜花の柔らかさとクセをシンプルにいただきます。
酒粕が苦手な方は、練り辛子を少々入れることにしてもまた違った風味が楽しめます。

こあきでは、不定期ですが副菜教室も開催しています。
グループでご希望があれば、水曜日や木曜日の昼間や土日祝日の夜などでも開催しますので、ぜひお問い合わせください。

タコスを作ってみる実験。

トリッパは、丸の内で夜の居酒屋営業もやっていたころも人気のメニューでした。
赤丸に移転してからも、たまに作っていたのですが、ビリヤニロールをやってみるまで、トリッパをうまくテイクアウトにしてみたり、またメニューに加えるとしたら、どんな方法がありそうかなと、あれこれ模索していました。
こあきのSNSで、トリッパロールの試作写真をご覧になったかたもおられるかと思いますが、なかなか、フラットブレッドやガレットなどを試してみてはいるのですが、巻いてみるものに決め手がなく、正式にメニュー入りには至っていないという状況です。

先日、仕入れに行ったところ、「タコスキット」なるものが、割引で売られていたので、思わず購入してみました。
セットには、サルサのベースになるトマトソースと、タコス風になる調味料と、パリパリなタイプのトルティーヤが入っている様子。クリスピーなタイプのトルティーヤとはいえ、ひょっとしてこれはロールの参考になるのでは?と思って、早速タコス的なものを作ってみる実験をしてみました。

タコスといえば、サイコロに切ったトマトとパクチーとスパイシーなお肉という感じの大雑把なイメージしかない店主ですが、お肉や魚をちょっと挟んでいろいろ食べてみました。
パリパリのトルティーヤの感じは、サラダでお馴染みだったものの、千切りの野菜を挟んでみると少しうるさい感じもして、トマトの役割の大きさを実感できます。
そしてやっぱり、手を汚さずに、お行儀良くは食べられないのが困ったところ。
調べてみたところ、皿と並行にして持ち上げ、首を傾けて横から一気に食べれば良いらしいのですが、なかなか難しいです。

しかし、いろいろ試してみたところ、ちょっと思いついたことがあったので、こちらも実験してみましたが、流石におなかいっぱい。試作の時は、胃袋の容量も重要な要素です。
さて、今回の成果が新たにメニューに加わる日がくるかは、これからの試作次第……。